半径3メートルの身近なデジタル

コージー林田

担当パーソナリティ
コージー林田

第1回
日本のトイレはガラパゴスなのか?(1/2)

僕らの生活はいろいろなデジタルグッズであふれている。
しかも、パソコンのような分かりやすい形ではなく…。

あまりに身近すぎて気づかないそのグッズたちに
光をあてるのが今回から始まる「半径3mの身近なデジタル」。
これからよろしくお願いします。

ということで、最初の半径3mはトイレ。

トイレとデジタル。
あんまりピンとこないけれど、海外では
「日本のトイレはハイテクすぎる」
という記事が紹介されるくらい。

No country takes toilets quite so seriously as Japan.
直訳すると「日本ほどすごく真面目にトイレを使っている国はない」

イギリスBBC放送の記者が日本のトイレを記事にしたときの一節。
記事では日本のトイレの先進性や清潔さを絶賛していた。
そのハイテクっぷりは、普段から温水洗浄便座に慣れている日本人でも驚くくらい。
最新のトイレは、デジタルグッズの域に達しているといっても過言ではない。

そもそも、海外では温水洗浄便座にお目にかかることはほとんどない。
公衆トイレには、いわゆるオーソドックスな洋式便器があるだけで、
なかには「こんなとこではう○こが出ません」という悲惨な状況の場所もある。
なぜに日本だけ…。携帯電話でいわれるガラパゴス化のように、
諸外国にはない日本独自の進化がトイレでも起きているのか? 

ということで、最先端トイレと日本人がトイレにこだわるメンタリティを探ってみた。

知らない間にここまできていた日本のトイレのハイテクぶり

知らない間にここまできていた日本のトイレのハイテクぶり僕らが普段使っている「ウォシュレット」という言葉はTOTOの商品名で、一般名称は温水洗浄便座。これが最新機種「ウォシュレット アプリコット」の操作リモコン。自分仕様に細かく微調整ができる。真ん中が便座に関するボタン。右側は音楽プレーヤー。内蔵曲以外に、SDカードに入れた曲も再生可能

あれは、とある友人の家での出来事です。

ちょっと蒸し暑い夜でね、急にトイレに行きたくなったんですよ。そんなに水分もとっていないのに。「なんかヤだな~、気持ち悪いな~」と思ってたんですけどね、トイレのドアを開けた瞬間、音楽が聞こえるんです。

あれー、聞こえちゃったな~と耳をふさごうとしたら、すぅーと、開いたんですよ。便ふたが、ひとりでに。怖いな~と思いながら用を足したら、流れたんですよ。ジャァーって。水が。

ええ、もちろん、トイレには僕一人でしたよ。

と、稲川淳二さん風に始めてみたが、これは実話。いまだに一昔前の洋式便座を利用している筆者からすると、本気でビビッた出来事だった。いったい最新のトイレはどれだけ進化しているのか。国内トイレシェア1位のTOTOのショールームに行ってみた。 案内してくれたのは、TOTO株式会社広報部の久野敦子さん。

そもそも、どうして人が来たら自動的に便ふたが開くのでしょうか。ふたくらい自分で開けてもいいような気がしますが。

「自動で開閉するのはセンサーを使っているからです。センサーの範囲内で物体を検知すると自動的に開き、物体が検知されなくなると閉まります。自動で開閉する目的の一つは節電です。開けっ放しだと、暖房便座が放熱して非効率ですから。他にも、直接手で触らないので衛生的ですし、お年寄りはふたを開くために腰をかがめる動作が簡略化できます。ちなみに暖房便座に関しては、学習機能を搭載していて、よく使う時間は暖かく、そうでない時間には温度を下げるような工夫もされています」

んん、自動でふたが開くだけでも様々なことが考えられているんですね。じゃあ、大と小はどうやって見分けているんですか。

「まずは立った状態か座った状態かで判断します。女性の場合、大も小も座りますが、そ
の場合は時間で判断しています。30秒を超えると大と判断して流水しています」

なるほど、小学生時代、トイレに入った友人を『3分超えたらう○こ』といってからかっていたバージョンの応用か。

ちなみに、最近のTOTOのトイレにはオート機能なるものがあり『トイレに入る座面後方に光が灯る便ふたが開く音楽が流れる用を足す脱臭開始香りが漂う便器洗浄便ふたが閉まる』の一連の流れが自動で行われるのだ。確かに、ハイテクすぎる。

「音楽に関してはケンウッドさんと共同開発をして、トイレに合った音が流れるようにスピーカーを調整しています。また、流水に関しても、少ない水でしっかりと洗浄ができるトルネード(渦)洗浄を採用しているんです。とくに節水機能はエコへの取り組みもあって、以前、13L使っていた便器洗浄水を最新式は5.5Lまで節約できるようになりました。また、水圧の低いお宅でもタンクレストイレを取り付けできるように、最新の機種では加圧式ポンプを使用しています」

他にも、おつり(大便時の水の跳ね返り)を軽減するために水面を下げられる機能や、陶器の凹凸に汚れが付かないように便器の表面に釉薬を施し、100万分1mmレベルの平らさを実現する技術なども使われている。

ただ排泄をするだけのものに、なぜにここまでのこだわりが。いったい、日本人はトイレになにを求めているのか。そこには、なにか特別なメンタリティがあるに違いない。

>> 日本のトイレ文化はけがれ思想とバブル景気から生まれた?

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