R×R復活! 5年ぶりに蘇る衛星携帯電話

地球上に「圏外」なし!?イリジウム携帯電話とは?

2005.07.07

去る6月1日、衛星携帯電話「イリジウム」が日本で再スタートした。イリジウムとは、通信衛星を用いた移動電話システムで、莫大な設備費をかけて高度780kmに66個の低軌道衛星を設置、世界中どこでも使える携帯電話として98年にサービスが開始された。

だが、冒頭で“再スタート”と記したとおり、イリジウムは一度、その姿を消した過去をもつ。イリジウムはなぜ失敗し、今回復活することとなったのだろうか。

そもそもイリジウムは、各端末から衛星に向けて直接発信するため、理論的には地球上のどこからでも通話が可能だ。しかしその反面、建物の中や地下などでは基本的につながらないという致命的な弱点がある。一方、地上の中継基地局を利用する携帯電話は通話エリアを急速に拡大させ、電話そのものの小型化やユーザー数増加によって通話料が大幅に値下がりした。その結果、イリジウムは一般ユーザー獲得競争に敗れ去ってしまったのだ。

だが、イリジウム復活の芽は意外なところにあった。米国防省は、米軍の通信手段としてイリジウムの継続採用を決定し、米イリジウム社は別資本で業務を再開することになったのだ。日本国内でイリジウムサービスを提供するKDDIネットワーク&ソリューションズによると、緊急時の連絡手段としてイリジウム携帯がにわかに注目されているという。

「新潟中越地震等の経験を通じて、改めて自然災害対策などのリスク管理が求められるようになりました。緊急時に固定電話、携帯電話が利用できなくなった場合、イリジウム携帯を第3のインフラとして備えておきたいという企業も増えています。レスキューの現場でも心強いツールとなるのではないでしょか」(同社MSAT営業部)

価格面、機能面を考慮するとイリジウムが一般ユーザーに普及する可能性は低いだろう。だが、僕たちの頭上で66個の衛星が見守ってくれているなんて、ちょっとロマンチックじゃないか。

友清 哲

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