W×R遠く離れた大切な人と、いつでもつながれる

「人型分身ロボット」が話題

2013.02.19

OriHimeのデザインも吉藤氏自身が手がけた。表情をあえて「能面」のようにしたのは、交わす会話から相手の表情を想像してもらうためだという。問い合わせや購入申し込みはオリィ研究所までOriHimeのデザインも吉藤氏自身が手がけた。表情をあえて「能面」のようにしたのは、交わす会話から相手の表情を想像してもらうためだという。問い合わせや購入申し込みはオリィ研究所まで

近年、目覚ましい進化を遂げている家庭用ロボット。最近では家事や介護をサポートするものから簡単なコミュニケーションを楽しめるものまで様々なロボットが登場しているが、今とくに注目を集めているのが早稲田大学発のベンチャー企業「オリィ研究所」が開発を進める人型コミュニケーションロボット「OriHime(オリヒメ)」だ。

コミュニケーションロボットといっても、人工知能を搭載したいわゆる「癒やしロボット」とは全く別モノ。人工知能の代わりに「目や耳、口」がついていて、OriHimeが見たもの、聞いた音をiPadやiPhoneといったデバイスを介して体感できる仕組みだ。遠く離れた人とリアルタイムで会話もできるし、OriHimeの首をリモートコントロールで好きに動かして「見たい方向を見る」こともできる。今後はアームをつけて挙手ができるようにしたり、タイヤをつけて自由に動き回れるようにしたりと、さらに進化していくとか。

「OriHimeを使えば自分がその場にいなくても友人や家族と同じものを見て、言葉を交わし、同じ空間で過ごしているように感じることができます。いわば自分の分身ロボットですね」とはオリィ研究所代表の吉藤健太朗氏。

例えば、入院で学校や塾に通えない子供がOriHimeを代わりに授業に「出席」させることでベッドの上から授業に参加したり、単身赴任で離れて暮らす家族がOriHimeを互いの食卓に置いて団らんのひと時を過ごしたり、といった活用方法が考えられる。実際、無菌室に入院している子供がOriHimeを通じて家族と「生活をともにした」事例もある。

「じつは私自身も昔、体が弱く、小学生の頃は学校に登校できない時期がありました。その経験から、ベッドの上にいても会いたい人に会い、行きたいところに行き、社会に参加することができるコミュニケーションデバイスの発想を得ました」(吉藤氏)

健康上の理由に限らず、「行きたくてもその場に行けない」事情は誰にだってあるだろう。それでも仕事がしたい人、旅行に行きたい人、社会とかかわりを持ちたい人たちは大勢いる。OriHimeはそうした人をサポートし、物理的な距離の問題を解消するための新しいインフラといえそうだ。

なお、OriHime製品版のリリースは2013年の夏頃を予定。価格は10万円前後になる見込みだという。現在は希望者のために「β版」も台数限定で提供中。
(榎並紀行/やじろべえ)

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